ホモ・シーデンスといわれる現在の私たちの暮らし。 人類が2本の脚で立ち上がり、発達した重い頭を支えるのに都合の良いように背骨がS字型に進化したのは300万年前のこと。立っている時が、背骨にとって一番無理のない自然な姿でした。しかし、人間の生活様式が狩猟者や漁民、農民などの暮らしから大きく変化した今日、読書や勉強、様々な職種の仕事、コンピューターOA機器の登場によって、イスに腰をかけ、机にかがみ込む生活習慣が長時間続くようになってくると、背骨は前かがみに曲がったアーチ型となります。そして、これが腰痛を中心として起こる様々な疾患の一因ともなってくるのです。 |
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イスの座り型の概念は大きく変えたバランス理論誕生の糸口。 子供の頃、イスの前脚を軸にして前方に倒すいたずらをした覚えのある型が多くいるはずです。この前傾姿勢で大腿部が下に約30度傾き、股関は60度曲がると腰椎カーブはS字型が保たれ、乗馬時のようにバランスのとれた姿勢で、気持ちよく座ることができます。バランス理論の出発点もこの追体験にあり、背骨が疲れる場合のイスと姿勢との因果関係も主に、腰椎カーブの変動にあるといわれています。 一般には、人が垂直姿勢でイスに腰掛けるとき、股関節は90度曲がるものと考えがちです。しかし実際形状は複雑で、大腿部は股関節のところで約60度傾き、あと30度は腰椎部が無理に曲がり、自然なS字カーブが保てなくなり、疲労を覚えるようになります。普通のイスに座ると背中の疲れてくる原因が解明されたと共に、人間の体の構造機能に適したイスの研究が実を結ぶときがやって来ました。 |
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エルゴノミクスの思想が私たちの身の回りの用具を考える。 コンピューター時代の幕開けと共に、私たちの身の回りの道具を人間工学的な科学の目で解明しようとするエルゴノミクスの思想が生まれました。「バランスチェア」のシリーズはこうした時代の要請に応えるためノルウェーのデザイナーグループ、セラピスト、医者、科学者など各分野の専門家の頭脳結集と協力のもとに研究、開発された新しい時代の画期的なイスです。 |